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2026/08/11 17:25

こんにちは、店長のホソダです。
前回のブログでは、ヒダ(プリーツ)を取る前に見えない部分に強さを仕込む、職人さんが整える『美しい準備(段取り)』についてお話ししました。
しっかりと土台が整ったカーテンは、いよいよ次のステップ、「ヒダ取り(つまみ)」の工程へと進みます!
ここで登場するのが、私たちの相棒である「自動ヒダ取り機」です。
「自動機」と聞くと、字のごとくボタン一つで勝手にきれいにヒダを取ってくれるような、初心者でも簡単に扱えそうなイメージがありませんか?
実は、まったくそんなことはないんです。ここは、職人さんの「丁寧な手仕事」と「深い知識」が詰まった、とても奥が深い場所なんですよ。
現場には、たくさんの種類の生地、色々なサイズや仕様のカーテンが次から次へと流れてきます。
職人さんはその生地の表情をパッと見極めて、手際よく数値を打ち込み、機械にセットしていきます。
しかも、なんと1人で2台から3台の自動機を同時にコントロールしているんです。
この自動機、実は7個のヒダをわずか1分ほどで取ってしまうほどのスピード。
あっちの機械をセットして動かしている間に、こっちの機械に次の生地をセットして、さらに動いている機械の様子にも目を配る……。
「ただ使う」のではなく、まさに「使いこなす」世界です。これには機械の知識はもちろん、カーテンや縫製に関するたくさんの引き出しが絶対に欠かせません。
その日の生地の柔らかさに合わせてミシンの速度を調整したり、縫い糸を変えたり。
もし「早く仕上げなきゃ!」と気持ちが焦ってしまうと、不思議と糸が切れてしまったり、縫い間違いに繋がったりするんです。布って、こちらの気持ちを見透かすように、とっても素直。
だからこそ、前の工程からの綺麗な仕分け(バトンタッチ)を大切に、職人さん同士が「息を合わせる」ようにして、一歩一歩、手際よく、でも決して焦らずに進めていきます。この流れるような動きは、経験を重ねた職人さんだからこそできる、特別なお仕事なんです。
そうして、等間隔に並んだきれいなヒダの形が出来上がったら、続いて「フックはめ」の工程へと移ります。
「糸の始末をして、フックを差し込むだけでしょ?」と思うかもしれませんが、じつはこれも、とっても丁寧で、根気のいる大切な手仕事なんです。
フックと一口に言っても、大きく分けて金属と樹脂があり、さらにレールのタイプ、芯地のサイズ、各社の仕様によって細かく分かれています。
生地の特性によっても、フックがスムーズに入るかどうかが変わるため、作業台には多種多様なフックがずらりと並びます。
職人さんは、そのフックの形をひとつずつ確認し、丁寧に糸の始末をしてから、フックをそっとはめ込んでいきます。
この一連の作業を、すべて手作業で、1日に500個から600個もこなしているんです。
本当に、もくもくと指先を動かす仕事。
正直なところ、コツコツとやり遂げる忍耐がないと、なかなか前に進まない大変な工程でもあります。
それでも、「このカーテンがお客様のお家に届いて、レールに掛けられたとき、一番きれいなウェーブが出ますように」と、使う方の暮らしを想像しながら、ひとつひとつに手をかけていくフックはめの時間。等間隔にフックがピシッと収まって、カーテンが立体的な形になっていく様子は、見ているだけでも気持ちが良くて、ものづくりの楽しさが込み上げてきます。
自動機の確かな動きをコントロールする知識と手際、そして、たくさんのフックを丁寧に仕分けていく確かな手仕事。
カーテンが形になっていく裏側には、こんな風に、ものづくりを愛する職人さんたちの優しい時間が流れています。
「私も、こんな風に一つひとつの工程を大切にするお仕事に関わってみたいな」なんて、ちょっとワクワクしてきませんか?
さて、フックがはまって形になったカーテンは、いよいよ仕上げの段階へ。
次回は、美しいウェーブを記憶させる「形態安定加工」と、お客様のもとへお届けするための「たたみ」のこだわりをお届けしますね。どうぞお楽しみに!